専用のサウナストーンって買ったら結構高くないですか?
そやな!下記はフィンランド産の香花石として販売されている製品やけど、調べた時で20kgで22,000円やで!びっくりするやろ!?
ですよね!ちょっとAmazonで調べたら「たかが石ころなのにめっちゃいい値段するやん!」と思ってしまって…
そんな君には、割高なサウナストーンに手を出さなくてもサウナに使用できる石のことを教えるから、この記事の内容を参考にしてな!
それはめっちゃ助かります!
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詳細なサウナ建築方法を詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです!
要件さえ満たしていれば拾ってきた石でも利用可能
あわよくば川原や海岸で拾ってきた石でもちゃんと選べばサウナストーンとして使えるで!
実は、河原や海辺で拾ってきた石でもサウナストーンとして利用可能なものもあります!
しかし、どんな石でも良いわけではないので以降の項目でサウナストーンに適した石について解説していきます。
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サウナストーンは特別な石?
本格的なフィンランド式サウナでは、ロウリュ(水蒸気)を生み出すためにサウナストーブの上に置かれるサウナストーンが非常に重要な役割を果たします。
サウナストーンに水をかけることで、熱波が生じ、体感温度を上昇させるとともに湿度を高め、より快適な呼吸を促します。
興味深いことに、サウナストーブ用の石は特定の基準を満たしていれば、川原で見つけた石やエクステリア用として販売されている安価な石でも使用することができます。
重要なのは、熱に強く、急激な温度変化に耐えうる性質を持つことです。
石の条件さえ満たしていればサウナ専用の高価な石を購入せずとも、本格的なサウナ体験を自宅でも楽しむことができます。
下記はサウナストーンとして販売されているものではありませんが、実際に私が使用してみてサウナストーンとして使用できた実績のある石です。
サウナストーンに必要な条件
ロウリュの熱の源となるサウナストーンは特別な石のように思われがちですが、実はそんなに特殊なものではありません。
下記条件を満たしていれば拾ってきた石やエクステリア用に販売されているような石でもサウナストーンとして使用可能です。
- 大きさの割に重い(=蓄熱量が大きく高密度であるため変形しにくい)
- 崩れにくい(=硬い)
- 高温状態から水をかけても割れない
- 外見は均一で色の違いが少ない
- 表面がざらざらしている(水が付着しやすいので蒸気が発生しやすい)
- 黄鉄鉱(パイライト)や石綿(アスベスト)を含んでいないこと
※これらを含んでいる場合、加熱時に有害物質を放出する可能性があります
ロウリュという行為は急激な加熱と冷却を短時間で繰り返すため、自然が何千年にわたって行う変化を超短時間で再現するようなものです。
サウナストーンに適した具体的な石の種類
具体的なサウナストーンの例として、これらの条件を満たす下記のような石が挙げられます。
- 橄欖岩(Peridotite)
- 橄欖石(Olivine)
- 輝石岩(Pyroxenite)
- 角閃石(Hornblenite)
- パークナイト(Perknite):角閃石を主成分とする貫入岩の総称
- 輝緑岩 (Diabase)
- クロム鉄鉱(Chromite)
- ノーライト(Norite)
- 斑糲岩(Gabbro)
- 凍石(Steatite):ソープストーン(Soapstone)
- 人工石(Ceramic)
サウナストーンについて詳しくなるために下記のような鉱石について詳しく書かれた本を読んで勉強してみました!
黄鉄鉱(パイライト)や石綿(アスベスト)を含む鉱石をを加熱するとどのような危険性がありますか?
黄鉄鉱(パイライト)を加熱すると?
- 酸化: 加熱により、パイライトは酸素と反応して硫酸鉄と二酸化硫黄を生成する可能性があります。
この反応は環境に有害な二酸化硫黄を放出し、酸性雨の原因となることがあります。 - 発火: パイライトは自然発火の特性を持つことがあり、特に炭鉱などでの取り扱いにおいては火災のリスクがあります。
石綿(アスベスト)を加熱すると?
- 有害繊維の放出: 石綿を加熱すると、微細な繊維が空気中に放出される可能性があります。
これらの繊維は吸入すると健康に害を及ぼす可能性があり、特にアスベスト関連疾患(肺がん、中皮腫、アスベストーシスなど)のリスクがあります。 - 化学変化: 高温下で石綿は化学的に変化する可能性がありますが、主な懸念は繊維が放出されることによる健康リスクです。
共通の懸念
- 健康リスク: 特に石綿の場合、加熱により放出される繊維は深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。
- 環境への影響: 両方の鉱石の加熱は、特に大気汚染に関して環境への悪影響を及ぼす可能性があります。
上記の理由から、黄鉄鉱や石綿を含む鉱石の取り扱いには特別な注意が必要です。
特に石綿は、その健康リスクのため多くの国で使用が制限または禁止されています。
サウナストーンとして販売されている石であっても自然の産物から採取されるため、微量ながら黄鉄鉱(パイライト)や石綿(アスベスト)が含まれる場合があります。
しかし、その量がごく少量の場合は加熱しても悪影響がない場合がほとんどです。
風通しの良い屋外で保護具を着用した上でガスコンロやガスバーナーで石を熱しテストすることをお勧めします。
サウナストーンとしてよく使われる香花石とは?
フィンランドで古くから使われているサウナストーンは「香花石」と呼ばれ、主に火成岩の一種である橄欖岩(Peridotite)で構成されています。
橄欖岩は地球の奥深くのマントルを構成する成分で、比重3.3という高い密度を有し、岩石の中でも特に重い部類に分類されます。
昔のフィンランド人は、長期間海中にあることで波により滑らかになり、厳しい寒気に耐えた石が強靭であると認識していました。
日本は火山活動が盛んな国ですが、フィンランドには火山が存在しないため、サウナストーンとして使われる岩石の性質は異なります。
フィンランドに住む人々にとってたまたま入手しやすく、サウナストーンとして適していたのが香花石(=橄欖岩)だったということに他なりません。
最近、フィンランドでは従来の橄欖岩が枯渇し、現在はOlivine-Diabase(橄欖石を含む輝緑岩)が使用されています。
また、オリヴィン(Olivine)は鉱物名であり、50%以上のオリヴィンを含む橄欖石のみがフィンランドで「オリヴィン(Olivine)」の名でサウナストーンとして販売することを許されているそうです。
フィンランドではサウナのために橄欖岩を採取し尽くしてしまったのかもしれないんやね…
日本で香花石(橄欖岩)は入手可能?
香花石の主成分である橄欖岩は、地下70kmの深さに位置し、地球のマントルを形成する重要な岩石です。
橄欖岩が地表に現れるのは、大規模な地殻変動が発生した場合のみです。
日本においては橄欖岩の採取が確認されたのは北海道の襟裳岬近郊に位置する幌満地区のアポイ岳や伊豆半島南端のごく限られた地域のみで、非常に希少です。
特筆すべきは、北海道のアポイ岳です。
アボイ岳は、橄欖岩で構成された珍しい山で、その一帯は地質学的にも非常に興味深い地域となっています。
2015年にはこの地域がユネスコ世界ジオパークに認定され、国際的な注目を集めるようになりました。
「幌満橄欖岩(Horoman-Peridotite)」として知られるこの地域は、地質学者や自然愛好家の間で価値が高まっています。
しかし当然ながらアポイ岳では許可なく橄欖岩を採取することはできません。
わしも一瞬考えたけど、サウナストーンに使いたいからといってアポイ岳で石を拾ってきたらアカンで〜!
橄欖石の結晶はあの有名な宝石!?
橄欖岩と橄欖石の関係は、岩石とそれを構成する鉱物というものです。
橄欖石の中でも特に優れた透明度を持つ大粒のものは、8月の誕生石である宝石:ペリドット(peridot)としても知られています。
橄欖岩の魅力と名前の由来:自然の美と歴史の誤解
橄欖岩はその鮮やかな緑色の美しさで知られ、特に偏光顕微鏡で観察すると、透明感のある魅力的な緑色が現れます。
橄欖岩の主要成分である「橄欖石」は、その英語名「olivine」がオリーブにちなんで名付けられました。
オリーブの実のような緑色の岩石という意味で、オリーブの中国名である橄欖(カンラン)の名をあてたのだと思われていましたが、実際には「橄欖」と「オリーブ」は全く異なる植物で、日本では過去に誤って同一視されたという大変紛らわしい歴史があります。
確かによく似た植物やなぁ。
こりゃぁ紛らわしいで。
石がサウナストーンとして適しているか検証してみよう
石がサウナストーンとして適しているかどうかを試す方法として、ガスコンロやガスバーナーで石を熱し、次に水で急激に冷やすという方法があります。
水分を含んだ石は加熱すると石が爆ぜる場合があるので加熱する際は保護メガネなどの保護具を着用し周囲の安全に配慮してください。
割れたりひびが入ったりしなければサウナストーンとして使うことができます。
また、ハンマーなどで叩いてみて崩れないかどうか、石と石をこすり合わせて粉が出ないかどうかを確認することも必要なことです。
- ガスコンロやバナーで石を加熱し水で急冷しても割れないこと
- ハンマーで叩いて崩れないこと
- 石と石をこすり合わせて粉が出ないこと
サウナストーンの必要量や適切な石の大きさ
サウナストーンの大きさや量は、サウナの温度変化に大きく関係してくるので、良いサウナを作る上で重要やで!
サウナストーンの必要量
石の量が多すぎると温めるのに時間がかかるというデメリットがありますが、一度温まると石そのものの蓄熱効果により長時間高温を保つというメリットがあります。
逆に石の量が少なすぎるとサウナ室が温まるのは早いですが、その熱のほとんどがストーブから直接に出る熱反射のみとなるため、不快な熱さのサウナになってしまいます。
電気サウナヒーターの場合、4.5〜6kWぐらいの一般的な出力の場合に必要な石の量の目安は、20〜30kgぐらいです。
また、ストーブに石を入れる場合のコツは大きな石を下に、小さな石を上に配置することです。
あまり詰め込みすぎても、石と石との隙間がありすぎてもいけません。
サウナストーンの大きさ
1つの石の大きさは薪で燃やすタイプのストーブの場合は直径が7〜21cmですが、電気式ストーブの場合はヒーターエレメント(ヒーターの熱くなる部分)同士の隙間が狭いため、熱を伝えやすくするためにはもう少し小さくし、5〜7cmぐらいの石が適切な場合が多いです。
- 一般的な4.5〜6kWの電気式ストーブには約20〜30kgの石が必要
- 薪ストーブの場合は石の直径が7〜21cmが適切
- 電気式ストーブの場合は石の直径が5〜7cmぐらいが適切(ヒーターエレメント同士の隙間が狭いため)
サウナストーンは定期的に新しくする
サウナ使用時のストーブの石は500〜800℃もの高温になります。
長年使っていると少しずつ壊れてくるので、ある一定期間で新しいものに取り替えた方が良いでしょう。
取り替え時期の目安としては石が熱くなるのが遅くなった時、または300回ぐらいサウナを温めた時です。
また、熱により黒くなった石は1年に1回ぐらいブラシで汚れを落とすようにし、石をチェックするときは全ての石をストーブから出して調べると良いです。
サウナストーンの便利な洗い方
オキシクリーンのような酸素系漂白剤を適量をバケツ等に入れて30~60℃のお湯で4時間程度つけ置きしたあとにブラシで洗うと汚れが落としやすくなります。
酸素系漂白剤の主成分である過炭酸ナトリウムは水に溶けると過酸化水素と炭酸ソーダに分解されます。
この分解により酸素が発生し、漂白効果が現れます。
漂白・消臭・除菌の3つの効果があり、いろいろな場面で使うことができます。30~60度のお湯に溶かしてからの使用が効果的です。
わしは下記の酸素系漂白剤でサウナストーンを洗ってるで。
どちらも主成分は過炭酸ナトリウムやで。
Amazon等で購入可能なサウナヒーターに使用できるおすすめの石
下記はエクステリア用に販売されている石ですが、実際に私が購入して調査したところ有害な物質は検出されませんでしたし、ロウリュにも耐えることができたのでお勧めです。
青砕石 30-50mm(東海砂利株式会社)
こちらの青砕石は乾いている状態では青緑色で、濡れている状態では濃い青緑色になります。
こちらの石の種類としては輝緑岩なのでサウナストーンとして適しています。
サウナストーンを新調した時は必ず水とブラシでこすり洗いし、細かい砂を落とします。
洗わないとロウリュしたときに細かい砂が舞ってサウナ室が煤まみれになってまうで!
ブラックロック 50mm-120mm (ガーデンステージ)
こちらのブラックロックも成分的には輝緑岩が含まれているとのことです。(販売元のガーデンステージさんに問い合わせて確認しました。)
ブラックロックと書いていますが、白っぽい石が含まれていたり、鉄分を含んでいて時々錆色が見られる石も含んでいます。
見た目に拘らなければサウナストーンとして十分な耐久性を発揮してくれました。
サウナの設計からチラー付き水風呂の導入方法まで詳しく網羅した自宅サウナを作るための完全マニュアルの記事もございます。
詳細なサウナ建築方法を詳しく知りたい方はこちらの記事がおすすめです!
あわせて下記記事もおすすめやで!
結論|サウナ専用で販売されている石は割高なので無理して買う必要はない
フィンランド産の香花石に強いこだわりがあるなら別ですが、下記のような安価な石で十分サウナストーンとして使用できることがわかりました。