この記事は、自宅にサウナを新築またはリノベーションする予定の施主や、小規模な商業サウナ施設を設計・建設する業者に向けて執筆されています。
もし自宅にサウナを設置したいと考えているが、どこに依頼すれば良いか分からない方々にとって、本記事は貴重な情報源となるでしょう。
この記事にはサウナや水風呂の設計から施工に至るまでの詳細な情報が含まれており、設計者や建築業者にそのまま共有することでプロジェクトをスムーズに進めることが可能です。
内容には、サウナ室の基本的な設計原則、図面の作成、水風呂の設備設計、機器選定など、幅広いトピックがカバーされています。
ただし、一部には大規模な業務用サウナ室の構造に関する記述も含まれていますので、小規模なサウナや家庭用サウナの場合は、設計者の判断でこれらの情報を省略していただくことをお勧めします。
こちらの記事で私の自宅サウナを紹介しています。
当社は、欧州の複数のサウナメーカーからの豊富なサウナヒーター納入実績を持っています。
お客様のサウナ室のサイズや構造に合わせた最適なサウナヒーターの選定を支援し、個人輸入代行、さらには電気工事士や工務店向けの施工アドバイスも提供しています。
日本の正規代理店を通じて購入するよりも、はるかに安価に導入が可能です。
ご興味がおありの方は、以下のボタンからお気軽にお問い合わせください。
自宅サウナを実現するための5つの方法
この記事では、主に①住宅と一体になった造り付けサウナの設計方法について説明しています。
①住宅に組み込まれた造り付けサウナ
住宅に組み込まれた造り付けサウナの建設にあたり、多くの設計士や工務店がサウナ室の建築や施工方法に精通していないことが一般的な問題として挙げられます。
この記事では、そのような問題に対応するために、サウナ室の基本設計概念を始め、詳細な設計図面を用いて丁寧に解説しています。これにより、サウナ室の建設に必要な知識と理解を深めることができるようになっています。
②既製品の箱型サウナ室を住宅に組み込む
日本市場には、既製品の箱型サウナが販売されており、住宅に迅速かつ簡単にサウナを組み込みたい場合、これらの既製品の購入が一つの有効な選択肢となります。
ご参考までにメトス社のクリマサウナの詳細は下記をご覧ください。
クリマサウナの1人用が1,485,000円という価格設定を考えると、①の住宅建築の際に造り付けサウナを設計・施工する方がコストを抑えることが可能です。
既製品サウナは確かに便利で速やかな設置が可能ですが、価格面では造り付けのオプションに比べて割高と感じられるケースが多いです。
住宅建築の初期段階でサウナの設置を計画することにより、コストをより効果的に管理し、カスタマイズの余地も広がります。
③屋内用のテントサウナ
自宅の室内やベランダで簡易的なテントサウナを設置して自宅サウナを実現するという選択肢は、予算や設置の手軽さを考慮すると魅力的です。
このようなテントサウナは、低予算でも十分に楽しむことができ、10万円未満で購入可能な商品も市場には存在します。
設置が容易でありながら、本格的なサウナ体験を提供するため、限られたスペースや予算を有効活用したい方にとっては理想的な選択と言えるでしょう。
下記の写真が自宅テントサウナの実例です!
④庭などの住宅の敷地内にサウナ小屋をつくる
敷地が広い場合、庭にサウナ小屋を建てるのは素晴らしい選択です。
この方法では、自宅の快適さを損なうことなく、プライベートなサウナ体験を実現できます。
ただし、サウナ小屋を庭に建設する際には、プライバシーの保護が重要となります。
隣家からの視線を遮るためには、高い塀の設置や植栽による目隠しの工夫などが必要です。
本記事のサウナ室の設計の項目の内容はサウナ小屋の建築にも役に立ちますが、下記のムック本『Sauna Builder ~DIYでサウナを作る本~』の中で紹介されている図面付きのサウナ小屋の設計方法があれば完結できると思うので、こちらを購入していただいた方が早いかと思います。
下記の書籍で材料費約37万円でサウナ小屋を作る方法が設計図付きで記載されているのでおすすめです。
⑤庭など住宅の外にバレルサウナを購入して設置する
Alibabaなどのプラットフォームを利用すると、バレルサウナを比較的安価に購入することが可能です。
しかし、バレルサウナには断熱構造がほとんどなく、屋根や外壁の防水対策に関しても不安要素があります。
これらの理由から、個人的にはバレルサウナの使用を推奨していません。
そのため、この記事ではバレルサウナに関する情報は特に取り上げていません。
バレルサウナは魅力的な価格で提供されることもありますが、長期的な使用を考えた場合、その品質や耐久性に関する懸念が重要な考慮点となります。
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著者の自宅サウナ環境にかかった費用
以下に示す費用は、2020年に自宅を建設した際の工務店からの内訳明細書に基づいたものです。
これらの数字はウッドショック前のものであり、現在は木材価格の高騰や物価の上昇により、実際の費用はこれらの数値より高くなると予想されます。
しかし、これらは著者が実際に支払った費用の詳細をまとめたものであるため、あくまで参考としてご覧いただくことをお勧めします。
ご自身のプロジェクトにおける予算計画を立てる際、これらの情報は有益な基準点となる可能性がありますが、現在の市場状況を考慮した上での見積もりが重要です。
- 桧縁甲板:240,000
- サウナ室のヒノキ板張工事:68,000
- 野材 桧化粧:40,000
- ガラリ(給排気口):28,500
- ケイカル板(不燃材):38,000
- サウナ室の制作費:200,000
- サウナヒーター(泉興産MISA Kolibri4.5kW):500,000
- サウナヒーター電源配線工事:40,000
小計:1,154,500円
- 水風呂浴槽(大和重工五右衛門風呂):158,400
- チラー(オリオン RKS400F-S):225,900
小計:384,300円
合計:1,538,800円
上記金額に加え、チラーおよび水風呂の設備工事費用や外気浴スペース用のウッドデッキ費用も考慮する必要があります。しかし、住宅建築費用の中からサウナ環境に特化した費用の正確な算出は困難であるため、これらの詳細は省略しています。
さらに、住宅の新築時にサウナ室の建設からチラー等の設備工事までを同一の工務店に依頼したため、上記の価格でサウナの実現が可能でした。
リフォームでサウナ環境を構築する場合、解体費用なども加わるため、コストはさらに上昇することが予想されます。
それにもかかわらず、既製品の箱型サウナであるメトス社製クリマサウナの1人用が1,485,000円であることを考えると、著者の自宅サウナはかなりコスト効率の良い方法で実現されたと言えます。
サウナ設計の心得:入浴体験から生まれる理解
サウナの計画において最も重要なのは、計画者自身がサウナに関して深い理解を持ち、実際に入浴体験をしていることです。
あるフィンランド人は、「サウナに入ったことがない人がサウナを計画・設計することは不可能」と述べています。これは、サウナの本質を理解するためには、実際のサウナ体験が不可欠であることを意味しています。
サウナを新しく持とうと考えている方や、初めてサウナを設計する方には、ぜひ実際にサウナ入浴を体験していただきたいと思います。
そして、その際は高品質な本格的なサウナを選んでください。
サウナが単なる発汗の場ではなく、リラクゼーション、健康、そして文化の一部であるという深い理解を得ることが重要です。
実際のサウナ体験を通じて、サウナ設計の本質と精神を捉えることができるでしょう。
本格的なサウナに入ったことのない人に、良いサウナは作れないでしょう!
サウナ室の形状・構造
さて、ここからが本題のサウナ室の設計のご説明です!
サウナ室の形状
サウナ室の平面の形は矩形(それぞれの角が直角である四辺形)などの単純な形とし、サウナ室全体を耐火構造体で包み(上下階スラブ共)サウナ室自体を防火区画とします。
凹凸が多い不整形なサウナ室や極端に細長い形状は、熱効率や施工上の観点から好ましくありません。
また、断熱層(100~150mmの厚み)やストーブのサイズと必要なクリアランス、ベンチの形状なども考慮に入れる必要があります。
これらを無視して間仕切壁の設計のみを先行させてしまうと、後にストーブが設置できなかったり、ベンチを希望通りに作れなかったりする問題が生じる可能性があります。
特に業務用サウナの場合、壁芯々の距離は短辺で最低1,700mm以上なければ、効率的な面積の活用は困難です。サウナ室の設計においては、これらの要素を充分に検討し、適切な計画を立てることが重要です。
ベンチ・壁
サウナのベンチは、利用者が自分の好みに合わせて温度を選べるように、階段状に2段から3段に設計するのが理想的です。通常、高温エリアでは一度の入浴時間は約10分程度ですが、低温エリア(40~60℃)では20~30分程度の長時間の入浴が可能です。
ベンチの平面形状に関しては、直線型、U字型、L字型などのシンプルなデザインが望ましいです。これらの形状は、収容能力が高く、入浴者が少ない時には横になってリラックスすることも可能です。
機能性と快適性を兼ね備えたベンチ設計は、サウナ体験をより快適なものにするために重要な要素です。
適当なベンチ幅は450〜700mmです。
サウナ室、洗い場、脱衣室で構成される
- サウナ室
- 洗い場(浴室)
- 脱衣室
これらが基本構成となりますが、理想的には、サウナ利用後に涼むためのテラスやベランダ、そしてトイレが近くにあると便利です。
昔のフィンランドのサウナでは、サウナ内部で身体を洗う習慣が一般的でしたが、現代では洗い場をサウナ室とは別に設けるのが普通です。これにより、サウナ体験の利便性と快適性が向上します。
サウナ室の大きさ
サウナのサイズは、一度に入浴できる人数によって決定されます。
サウナ室の大きさは最小でも3.2㎡位の床面積が必要です。
3.2㎡、つまり1.8m×1.8mのサイズは、約2畳(1坪)の広さに相当します。
このサウナの床面積については、近年フィンランド国内でも多く議論されています。
最近のフィンランドでは、単身者向けのワンルーム住宅にもサウナを設けるケースが増えており、そのサイズは約2㎡(1畳弱)という小規模なものです。
しかし、多くのフィンランド人は、家族向けサウナはもちろん、個人用サウナであっても最低限3㎡以上のスペースが必要だと考えています。
3㎡未満のサウナは、本来のサウナの機能を果たしにくく、単なる発汗用の小さなキュービクル(箱)になってしまうというのが一般的な見解です。
サウナは、単に汗をかく場所というだけのものではなく、リラックスと心地よさを享受するための空間です。
そのためには適切な大きさが非常に重要な要素となります。
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お客様のサウナ室のサイズや構造に合わせた最適なサウナヒーターの選定を支援し、個人輸入代行、さらには電気工事士や工務店向けの施工アドバイスも提供しています。
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